有料化の研究中

サイトの流れとしては、90年代中盤の初期の情報系のサイトは皆、有料化に失敗し、アダルトや出会い系だけが有料サイトとして残った。90年代後期から2000年代前期に掛けて、以降急速に拡大したのが楽天、アマゾンを筆頭とする物販のサイトであり、それを取り巻くブログなどのアフェリエイト環境の拡大である。同じころGoogleの拡大になどにより、情報系のサイトの収入として広告収入モデルが拡大した。現在、景気が悪く、これからしばらく鳩山不況と呼ばれるような、よかれと思ってやったことが逆に景気を悪くする、「よかれ不況」が来ると思われる。
リアルなビジネスを持っている人たちにはサイトは有力な武器であるが、情報系の広告モデルは実体経済の影響を受けるので、今後、固定費の高いサイトは合併や廃止を余儀なくされるであろう。これは淘汰でもあるので、インターネット内に存在すべきものが残っていくのは良いことであると思う。
さて、どうやって生き残るか。色々考えた末に、皆が失敗してきた有料化に向かうことにした。昔は「簡単に」儲かると思って、あっけなく失敗していった有料化であり、有料化は成功しないという思い込みはあるのだが、有料化ではるかに経営戦略がスリムになることに気がついた。
広告モデルの場合、クリック率がこれくらい、PVがこれくらいとサイトの集客をいかに向上させるかが全てであった。先行者で安定的PVが確保できるのであれば、いいのであるが、以前あった「脳内メーカー」のように、広告モデルは不安定な水商売に近いものがある。
その点、有料化はスリムである。会社の経営資源がこれだけあり、これだけの固定費がかかるから、これだけの収益を上げるには、これだけの売上が必要。後はお客様にお金を支払っていただくためのサービスを作り、売上になるまで足で営業する。お客様の声を聞いて、改善する。安定的に損益分岐点を越えるまでは苦しいのは目に見えているが、これが商売なのではなかろうか。
私も含め、今までサイト運営者は「簡単に」儲かると思って「観単に」儲けるために、安易なサイト運営を行ってきたのではなかろうか。β版としておけば許される。そんな雰囲気に驕ってきたのではなかろうか。
有料化には有料化のノウハウや戦略があろう。それを学ぶために出会い系サイトに登録し研究している。欲望を刺激し、驚くほど儲かる仕組みになっている。簡単な仕組みはこうだ。

  1. 少し使うだけならば、無料で使える(集客と安心感)
  2. 女の子にメールを送ると数百円かかる(収益)
  3. 女の子とのチャットは最初の3分は無料(集客と安心感)
  4. 3分を超えると一行数十円お金がかかる(収益)

安定して収益を上げ続けるためには、より多くのキャッシュを継続的に確保する仕組みが必要だ。そして社会的に不良サイトであるという仕組みを構築することが必要だ。そのための仕組みがこうだ。

  1. 女の子がメールを送信したりすると数10円分のポイントが溜まる(これにより女の子からメールが突然来たりする)
  2. 日記をかく欄があり、それにコメントをつけることが出来る(お互いの人格や日常を知ることが出来る)
  3. オモテ系とウラ系があり、オモテ系は日常、ウラ系は主に出会いなどと使い分けることが出来る
  4. ウラ系は年齢認証があり、一応の安心感を出している
  5. 男性はポイントを購入するのだが、高金額で購入するとおまけがついてくる
  6. メールアドレスや電話番号のやり取りなど比較的自由になっている
  7. サイトはナビゲーション良く早く作りこまれている

いかに男性も女性も楽しんでその場を過ごせるか、いかにお金を落としてもらうか。徹底的に考え抜かれている。そしてこのサイトは毎日盛況である。我々は独りよがりにならず、こういったサイトの仕組みを知り、サービスに徹底し、顧客にお金を落としてもらう必要があると考える。
と考えて企画書を書いていた数日でした。池田先生のブログを見たら同じような事を考えていたようで、私もブログに書いてみました。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/38067e660b4c34f5aafc4dd16769b850
無料化文化はおそらくインターネットが使う人も少なく社会的に軽視されていた時代の流れで、使う側も作る側も本気でなかったから出てきた文化だと思う。本気で経営戦略を練り、資本投下し、本気で営業をすれば、収益の道筋がはっきりしているので進みやすいと思う。作る側が本気になり、使う側を本気にさせなければならない。