キーワードはSnapdragon
日本Androidの会のAndroid Bazaar and Conference 2009 Fallに行ってきました。終日は参加できませんでしたが、クアルコムの社長山田さんの話や、日本通信の福田さんの話など普通はなかなか聞くことに出来ない人の話を聞くことが出来てとても有益でした。
現在、国内で販売されているAndroid端末はHT-03Aのみで、CPUはクアルコムのMSM7201aというものです。このCPU自体ハイエンドなものなのですが、マルチタスクのAndroidの潜在的パワーを引き出すには至らず、どうしてももっさり感があり、ほぼシングルタスクのiPhoneに水をあけられる事態となっています。
クアルコムがスマートフォンからスマートブックまでを対象としたプロセッサーとしてSnapdragonというものがあります。
急成長するPCD/MCD向けプラットフォーム「Snapdragon」の実力 - ITmedia Mobile
来年からこのSnapdragonを搭載したAndroidが次々と市場に投入されてくるようです。Sonyが発表した、Xperia X10の動画を見るととてもきびきび動いていることが分かります。
[Web 2.0 Expo]Sony Ericsson「Xperia X10」動画レポ,コンセプトは“フロー” | 日経 xTECH(クロステック)
Xperia X10はPalmPreと同様にWebの技術(HTML,JavaScript,CSS)で開発できるようでそれも魅力的ですが、ストレス無くAndroidが動くという点で、Snapdragonの力を評価したいと思います。
講演で山田社長も話していましたが、SnapdragonなどのARM陣営とx86陣営のせめぎ合いとなっています。スマートフォンやネットブックといったところで、今まで組み込みとパソコンで済み分けていた両者が対峙しています。
この戦いはおそらく本気のクアルコムが勝つと思います。世間の多くの人にとって必要なのはクラウドの窓口であり、パソコンではありません。現在の日本の多くの人が携帯でネット接続していることを考えると、キーボードの無い、インターネットに繋がる端末はこれからますます重要になるでしょう。
そういったデバイスはハードウェア的な制約と通信が必須であることを考えると、パソコンにあわせて設計されているx86よりも、ARMのほうが有利かと思います。また通信についてはクアルコムの独壇場といっても過言ではないのでしょう。
OSについていえば、AndroidやChromOSといったクラウドにあわせて設計されたものの方が、WindowsMobileなどのパソコンOSから携帯に落とし込んだようなOSよりも有利と言えます。
ここではCPUの点とOSの点から考えてみましたが、他にも様々なベクトルが一つにまとまりだしています。従って来年はAndroidに取って重要な年になると思います。成功するかどうかはブレイクスルーを生み出すアプリケーションを発表できるかに掛かっていると思います。