あまりグーグルのことは書かれていませんでしたが、非常に面白かったです。

グーグルとつけると本は売れるのでしょうか。グーグルと名前がついている本を多く買っているので、私はまんまとその戦略に引っかかっているかも知れません。本書はマスメディアはどうなるべきかという話を、テレビ、新聞、ラジオ、と分けれ論述しています。内容は中立でマスメディアへのネットに負けずにがんばれという応援のように暖かく記述されています。特に第11章のなぜ、それでもマスメディアは必要なのかはネット賛美になりそうなこの業界においてとても重要なテーマを投げかけているように思います。
また著作権のところでは隣接権の話が出てきます。著作権については深くは触れられていませんが、私の考えですと、現在の著作権の問題は隣接権者が多く、利権が絡み、著作権者本体でなく、隣接権者の利益を如何に守るかというところに話が集中している所にあると思うのです。この本の著者が言うように、新しい枠組みで著作権者に利益が、隣接権者に利益がいく仕組みが出来れば、コピー10やiPod課金など滑稽な仕組みを作らなくても著作権の問題は解決していくかも知れません。その際は、既存の隣接権者から新しい隣接権者が生まれるのかも知れません。
最近何年かぶりに、CDを定価で買いました。3000円のCDの定価はレンタルだと10枚借りることができます。音楽を聞くのはiPodですから、物理的に場所をとるCDは空間占有率とその値段からいってもコストが高いと言えます。2代目iPodを買い出してから本当にCDは買わなくなりました。MDなど過去の遺物です。CDを借り、MDにタイトルを手で書いていた時代が懐かしいです。確かに便利になりました。パソコンにCDを入れれば自動的にiPodに転送され、ジャケットの画像やアルバム名、歌詞までインターネットから自動で引っ張ってくるのですから。このモデルではCDという物はパソコンとiPodに転送するためのメディアにすぎないのです。そして、このメディア物理的には一枚10円価値なのです。
CDを作るということはアーティストが何時間もかけて作詞、作曲し、多くの人を交え局を録音し、マーケティングコストをかけ、流通のコストをかけ、そして消費者に購入されるというものでした。そうやって作られている音楽が、雑踏の中の音のように価値のないものになってきました。この流れは変わらないでしょう。であれば、発想と戦略を変える必要があります。
まずは、リアルの追求です。CDは広告宣伝の媒体と割り切り、生演奏などインターネット、iPodに乗らない商売に転換する必要があります。そう思うと一枚10円のCDはお得なメディアになります。例えば自分の好きなアーティストが、自分だけのために演奏をしてくれるとなったら、ある程度いいお金で人が集まりそうです。
次にCDを売ることは止めてiPodを売るような戦略も考えられます。そのレーベルに属するアーティストの楽曲をすべてiPodに入れてiPodに付加価値をつけて売るというのはどうなのでしょうか。新しい曲はすべて月額固定でiTuneで更新されていくという方向も考えられます。現在よりもさらに手間を省く方向で考えると新しい仕組みが見えてくるかも知れません。CDをレンタルして登録する手間を考えるとはじめから入っているiPodは魅力的です。JpopのiPodやクラッシック専門のiPodなどあってもいいかも知れません。そしてそのiPodに紙の歌詞カードだけすべてつけると付加価値が高まるかも知れません。いっそのこと、CDの代わりに iPod shuffleで発売すればいいかも知れません。1Gで240曲程度はいりますから、CD12枚分、半分空きにして、6枚分のCDをまとめて1万5千円から2万円程度で売ったら以外と行けるような気がします。
付加価値をどのようにつけるか、2点考えてみました。結局久しぶりに買ったCDでやっぱりCDはいいなと思ったのはジャケット、歌詞カードでした。そういったアナログな部分が大切になってくると思いました。