政治家とブロガー

Web進化論でネットのあちら側とこちら側という話があった。ブロガーなどインターネットで情報をやり取りする人をあちら側、インターネットを使わないで情報をやり取りする人をこちら側と呼ぶと、たまたまだったのかもしれないが、池田信夫さんと太田誠一代議士のバトルは、ネットのあちら側とこちら側の戦いになっていると言える。
ことの発端は事務所費の不正疑惑が発覚したことに始まる。またも農林大臣とは鬼門であるが、この架空と思われる事務所が、池田さんの隣の建物だった。さらには大家さんとのこと。池田さんが事務所としての実態がないことを暴露したのである。
アルファブロガーの池田さんはネットでの情報伝達に強い影響力を持つ。リアルに影響力を持つ政治家にとって、新聞や週刊誌はある程度手なずけることが出来るのかもしれないが、ネットは等身大の世界。大きくも小さくも見せることができない。結局ありのままの姿がさらされるだけである。
盗撮だとか、犯罪に使われるだとか、いろいろと言われているGoogleストリートビューであるが、結局のところ、Googleはありのままの姿を映しているだけで、後は受け手の問題としているように思う。
池田さんはGoogleストリートビューを活用し件の事務所を映し出し、150人もバイトできたことはないと主張している。これはストリートビューの一つの使い方を示す物であろう。また2chなどで炎上と呼ばれる創発現象が起きると、リアルに建物を移しネットにアップするという行為が起きていたが、ストリートビューでこれが現場に行かなくても済んでしまうようになった。
多くの政治家や官僚など既存権力者はネットの権力が増して、マスコミの権力が小さくなっていることにまだ気がついていないかもしれない。総じてマスコミを通じて権力を保持している人たちの権力が小さくなっていくことに気がついていないかもしれない。
TBSの亀田問題など予兆はいつもあった。今回は2chのような匿名の集合知ではなく、個人名を出した上での対決になっている点が大きな違いである。私のこのブログも個人名でやっている。このような個人名のブログの多くが、創発したらどうなるのか興味深い。後に始まりはここだったと言われるかもしれないほどのインパクトをもってこの問題を見ている。